<PICTURE BOOK 大人のための絵本セレクション


作 佐野洋子
 講談社 1992年
1470円(1400円)



おじさんのかさ


「こだわり」を持つこと。「大切なものを」持つこと。
それはとても素敵なことだけれど・・・たまには、そんなこだわりすら
ポイと捨てさってみるのもまたよいこと。

おじさんには自慢の傘がありました。
絶対に濡らしたくないほど大切な傘でした。
雨が降ったら脇にかかえて雨やどり……。
男の子が「入れて」と言っても、「おっほん」と聞こえないふり。

けれどもある雨の日の公園
子どもの歌が聞こえてきます。
「あめがふったら ポンポロロン
あめがふったら ピッチャンチャン」

その魅力的な音に・・・とうとうおじさんは傘をひろげるのです。

―ぐっしょり ぬれたかさも いいもんだなあ。
            だいいち かさらしいじゃないか。―

この名台詞に脱帽です。